ゲームのアイディアを思いついたら、「競合分析」してみよう!───競合分析でゲームのポテンシャルを測る方法基礎

競合分析とは?

こんにちは!あるいは、はじめまして!

インディーゲームのマーケティングをしているNeon Noroshiと申します。

この記事を見ているということは、仕事で誰かにゲームの競合分析を頼まれたのでしょうか。もしくは、いいゲームのアイディアを思いつきましたか?あるいは、ただ単に暇でSNSを見ていたら目についた?なるほど、来ていただきありがとうございます。よかったらNeonNoroshiのSNSのフォローもお願いしますね! 

ゲームを作る人や興味を持つ人が増えることは、いつでも喜ばしいことです。

ではでは、早速ですが表題の件です。

ここで言う「競合分析」とは何か。

それは、発売中のゲームの競合を調査し、さらにそこから、自分のゲームはどれくらい売れると予想されるか、そしてどれくらい稼げるかとポテンシャルを予測することです。

例えば私は現在、マインスイーパーにローグライク要素を足したゲームを開発中です。(本題からは逸れますのでここでは詳細を省略しますが) 実際の例として、この自分のゲームの競合分析を行いますので、一緒にやってみましょう!

そもそも、なぜ競合分析が大事なのかを知りたい方も、ぜひ本稿を最後までお付き合いください。競合分析のやり方だけではなく、その重要性もお届けするつもりです。

もちろん、競合分析から導き出される予測はどこまで行ってもただの予測です。ゲームの人気や売り上げというものは、時に予測を上回ることも下回ることもあるのは、ゲーマーならご存じの通りです。

ステップ1:自分のゲームを理解する

たとえば他の人が、あなたのゲームを説明するときにはどのような言葉を使うでしょうか。とっさに考えるのが難しい場合、いくつか具体的なやり方があります。ぜひ一度、以下の両方について行ってください。

その1)要素が似ている具体的な別ゲームで説明してみる

まずは、「〇〇ライク」「〇〇風」「〇〇みたいな」などの言葉で、自分のゲームを説明してみましょう。〇〇に具体的なゲーム名が入ります。

例えば、私のローグライク・マインスイーパーゲームは、アイテムを使って目標スコアを稼ぐところが、「Balatroライク」という言葉にあてはまります。また、別のローグライク・マインスイーパーである『Demoncrawl』からも影響を受けています。

ぜひあなたの考えているゲームと似たゲームを見つけてください。ステップ2で使います。

その2)ゲームのジャンルを考える

次に、あなたのゲームのジャンルで説明してみましょう。ここでいうジャンルとは、「アクション」や「RPG」のようなかっちりとしたゲームジャンルでなくてもいいです。あなたのゲームに、ユニークさを加えている特徴的な構成要素のようなものでいいです。

例えば、『UNDERTALE』とその続編『DELTARUNE』は「バトルがミニゲーム」という特徴があると説明できます。 あなたのゲームを定義する重要なジャンルを5~6個決めましょう。準備ができたら次のステップへ。

仕上げに。比較表を作る。

お手元に、類似ゲームがいくつか、そしてジャンルが5、6個あると思います。それらを使って、チェックボックスつきの比較表を作ってみましょう。こちらが私のローグライク・マインスイーパーの例です。

あなたのゲームについても、このようなものができましたでしょうか。では、ステップ2に進みましょう!

ステップ2:ゲームの表を拡張する

これで最低限の準備はできましたので、次は拡張して行きます。

インターネットなどで、他に似た特徴のあるゲームがないか調べ、リストに追加します。もしかしたら、積みゲーの中にもあるかも?

おすすめの検索方法というのは残念ながら持ち合わせていません。もしあなたが、ゲームを数千本持ってるようなゲーマー(私みたいな…)でないのなら、ゲームが好きな知人に聞いてみるのもいいでしょう。 他に4つくらいの比較対象があればひとまずOKです。多ければ多いほどヨシです! すべての列に少なくとも3つのチェックマークが含まれるようにしましょう。

ステップ3:計算

さて、そろばんを弾きますよ!電卓でもエクセルでも使ってください。 

まず計算するのは、各ゲームが発売してどれくらいたったかです。最初の発売日、つまりゲームが最初に購入できるようになった日付を調べましょう。発売日は、ストアページに記載されています。

次に、各ゲームの推定販売数と収益を調べます。私は主にGamalyticを使用しています(多くの業界人も使っています)

注:これらの数字は正確ではありませんが、大丈夫です。競合分析はあくまで推定であり、絶対に正確な情報が必要不可欠というわけではありません。それに、ここまでの間にもこのあとにもたくさんの曖昧な前提があります。

ここまでを表にします。

「調整係数」という列も作りました。ここでいう調整は、数字に現実味を持たせるための、私なりのやり方です。ゲームが大ヒットしたと思われる場合値を10で割って調整します。
大ヒットの定義は…あなたはもちろん友人みんな、そのお母さんまで知ってるような状態をイメージしてください。
え?引き合いに出されても、お母さんはゲーマーだ?確かに、最近はそういうことも多いですよね。

ヨシ。現実的な数値になりました。

さて、ここから分析の本番です。前段のチェックボックスを覚えていますか?それぞれの特徴の期待値を見ていきましょう。

各ゲームの販売本数と収益の推定値を、そのゲームが持つチェックマークの数で割ります。それが、それぞれの各特徴がゲームにもたらした価値の推定です。各チェックマークをその値に置き換えます。例えば

『Balatro』は、590,000本売れ(調整後)、7,450,000ドル売り上げました(調整後)。

 チェックボックスで特徴を3つ持っているので、3で割ります。

 590,000 / 3 = 約196,667   ←それぞれのジャンルの販売数の期待値 

7,450,000 / 3 = 約2,483,334ドル ← それぞれのジャンルの売上の期待値

さらに、『Balatro』は1.8年間発売されています。比較するのは1年間で得られる収益としたいので、先ほどの数値を年数で割る必要がありますね。

196,667 / 1.8 = 約109,259  ←それぞれのジャンルの推定初年度販売数 

2,483,334 / 1.8 = 約1,379,630 ←それぞれのジャンルの推定初年度収益

そして、以下のように数字を入れ直します:

残りのゲームにもこれを行います。

さて、各列の平均を集めます! 各値を個別に足し合わせ、すべての値の平均を計算します!

例えば、ローグライク列の販売本数の数字ではこうです。 

(109259 + 2727 + 108333 + 97500 + 102333 + 17834) / 6 = 約72,997 

↑これは「ローグライク」という要素の販売本数ポテンシャルとなります。 6で割ることで平均を算出しています。

それぞれの値を取得します。

最後に、チェックマークが付いた列の値を足し合わせます!

この競合分析に基づくと、私のゲームは… 

250,000本売れ、

2,800,000ドルの収益を初年度に得ると予想されます!

本当に? 

残念ながら私はそうは思いません。これはかなり楽観的な見積もりです。その10分の1の値を低めの(無難なとも言う)見積もりとしましょう。 つまり、25,000本で280,000ドルです。 25,000~250,000本の販売数、280,000~2,800,000ドルの収益。 それが私の予測です。

これが競合分析のやり方です!

 もしパブリッシャーやビジネスパートナーに数字を見せる機会があれば、ぜひここまでの計算過程も一緒に見せてください。数字だけを投げつけると、無根拠に見えますからね。

もしこれが役に立つなら幸いです。読んでいただきありがとうございます!

そして最後にもう一度。 これは単なる推定値であり、事実になるとは限りません! この計算をしたのに、そんなに売れなかったよ…みたいなこともあるでしょうが、保証しかねます。もちろん、うまくいくことをお祈りしていますよ!

おまけ:なぜ競合分析をするの?そしてなぜこんなに胡散臭く見えるのか?

ここまでお読みいただきありがとうございます。おまけのコーナーへようこそ!

ここまでの内容はいかがでしたか? 

「競合分析っていうけど雑すぎない!?」 

「『クロノ・アーク』はアニメ絵でプラス1,000,000ドル売れたわけじゃないだろう!?」

おっしゃることはわかります。

この違和感は、ゲームの価値が選んだジャンルにのみにわかれて詰まっていると仮定しているために起こります。比較しているゲームそれぞれについて、自分のゲームとは異なるジャンルもすべて洗い出して総合価値を分散することで、精度はある程度は向上するでしょう。しかし、他所のゲームのジャンルのポテンシャルを一般化しようとすることが目的ではありません。

なぜ競合分析をするのでしょうか? それは、そうすることで、あなたのゲームを客観的に評価・説明ができるようになるからです。パブリッシャーやビジネスパートナー、そしてマーケティングエージェンシー(たとえば弊社)が、あなたとあなたのゲームをどのようにお手伝いできるか、知るためなのです。

「捕らぬ狸の皮算用」とも言いますが、この競合分析を行うことで、あなたのゲームと、その市場における需要を客観的に示すことができます。 たとえば弊社であれば、広告/マーケティングに投じる予算のアドバイスなどもできるようになります。

何度目かの繰り返しになりますが、競合分析は単なる推定値であることも共通認識です。いつだって、上回ることも下回ることもあります。

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